新幹線

東京を13:32発の新幹線(Maxとき)指定席にて、新潟へ向けて移動中。
上野から俺の前方の席に恐面の集団がやってきた。
どうみてもカタギには見えない。
俺は売店で購入したエスプレッソを一気に飲みほし、様子をうかがった。
やがて集団は、すやすやと寝始めた。
なんともいえない緊張感が漂った直後、急に静寂がおとずれた。
俺も昼寝をすることにしよう。
と思ったら、車掌さんがやってきて、集団になにやら語りだした。
どうやら集団は自由席で乗車していたらしく、たまたま席が空いていたこの指定席の車両にやってきたようだ。
その席の乗客がきたらすぐに移動するようにと、車掌さんが恐面の集団に毅然とした態度で告げた。
集団は、「あぁ」なのか「うん」なのか、はっきりとは聞き取れないほどの声でムッとした感じで返事をした。
再びおとずれた緊張感に、すっかり俺の睡眠欲が消え失せてしまった。